怒りの心理学とは?怒りの原因とタイプ、コントロールと活用の方法を解説
怒りは、誰もが持っている普通の感情です。
しかし、怒りは適切に管理しないと、自分や他人に悪影響を及ぼす可能性があります。
そこで、この記事では、怒りの心理学について解説します。
具体的には、以下の4つのポイントについて説明します。
- 人がなぜ怒るのか?
- 怒りのタイプは何か?
- 怒りをコントロールする方法は何か?
- 怒りを活かす方法は何か?
この記事を読むことで、自分の怒りの原因やタイプを理解できるだけでなく、怒りをコントロールするスキルや怒りを活かす方法も身につけることができます。
怒りは自分や他人や社会のためになる感情に変えることができます。
ぜひ、この記事を参考にして、自分の怒りと上手に付き合ってみましょう。
人がなぜ怒るのか?
まず、人がなぜ怒るのかというメカニズムについて説明します。
怒りは、自分の理想や期待が裏切られたときに生まれる感情です。
しかし、その裏には悲しみや寂しさなどの一次感情が隠れています。
怒りと上手に付き合うためには、自分の本当の気持ちを理解し、相手に伝えることが大切です。
心理学者のエリスは、怒りのメカニズムをABCモデルとして説明しました。
ABCモデルは以下のようなものです。
A(Activating event):「出来事」
B(Belief):「思い込みや解釈」
C(Consequence):「感情や行動」
例えば、あなたが友人と待ち合わせをしていたとします。
しかし、友人は約束の時間に遅れてきました。
この場合、
A(Activating event):「友人が遅れてきた」
B(Belief):「友人は私を大切にしていない」「友人は約束を守れない」「友人は信頼できない」という思い込みや解釈
C(Consequence):「友人に対して怒りを感じる」「友人を責めたり無視したりする」という感情や行動
となります。
このように、怒りは出来事そのものではなく、出来事に対する思い込みや解釈によって生じることがわかります。
しかし、思い込みや解釈は自分自身が作り出したものであり、他人にも通用するものではありません。
人によって思い込みや解釈は異なりますし、状況や文化によっても変わります。
ですから、自分の思い込みや解釈が裏切られたからといって、相手を責めたり攻撃したりすることは効果的ではありません。
むしろ、相手との関係性を悪化させたり、自分自身を苦しめたりすることになりかねません。
そこで大切なことは、「べき」に固執せずに、自分の本当の気持ちやニーズを見つめ直すことです。
怒りの裏には、「悲しい」「寂しい」「不安」「苦しい」などの一次感情が隠れています。
これらの感情は、自分が「解ってほしい」「助けてほしい」「愛してほしい」という欲求を持っていることを表しています。
しかし、これらの感情は傷つきやすく、素直に表現することが難しいこともあります。そこで、怒りという感情を自分自身で受け止め、一次感情に気づくことが大切です。
自分の一次感情に気づくことで、自分自身のニーズを理解し、相手に伝えることができます。
また、相手の一次感情に気づくことで、相手のニーズを理解し、共感することができます。
これによって、相手との関係性を改善することができます。
怒りのタイプは何か?
次に、怒りのタイプについて説明します。
怒りには、以下の3つのタイプがあります。
爆発的な怒り
怒りが爆発的に表現されるタイプ。
感情のコントロールが苦手で、衝動的に行動することが多い。
怒りの原因はストレスや疲れなどがある。
抑圧的な怒り
怒りが抑圧されるタイプ。
感情を表現することが苦手で、自分の気持ちを隠すことが多い。
怒りの原因は自己肯定感の低さや対人関係の不満などがある。
反動的な怒り
怒りが反動的に表現されるタイプ。
感情をコントロールすることはできるが、相手の言動に過剰に反応することが多い。
怒りの原因は自分の価値観や権利の侵害などがある。
これらのタイプは、それぞれ異なる原因や対処法があります。
例えば、爆発的な怒りはストレスや疲れなどが原因で生じることが多く、運動やリラックスすることで対処することが効果的です。
抑圧的な怒りは、自分自身の感情を認めることや表現することが大切です。
反動的な怒りは、自分自身の感情を受け止めることや相手の立場に立って考えることが大切です。
怒りをコントロールする方法は何か?
次に、怒りをコントロールする方法について説明します。
怒りをコントロールするためには、以下の4つのスキルが大切です。
自己観察
自分の感情や思考や行動に気づくこと。
怒りのサインやトリガーを把握することができる。
自己肯定
自分の感情や思考や行動を肯定すること。
自分のニーズや価値観を尊重することができる。
自己表現
自分の感情や思考や行動を適切に表現すること。
自分のニーズや価値観を相手に伝えることができる。
自己調整
自分の感情や思考や行動を適切に調整すること。
自分のニーズや価値観と相手のニーズや価値観をバランスよく満たすことができる。
これらのスキルを身につけることで、怒りを適切に管理することができます。
具体的には、以下のような方法があります。
自己観察
怒りの日記をつける、呼吸法や瞑想法を行う、感情の温度計を使うなど
自己肯定
自分の長所や成功体験を思い出す、自分に優しく話しかける、自分をほめるなど
自己表現
メッセージやアサーションを使う、ノンバーバルコミュニケーションに注意する、フィードバックを求めるなど
自己調整
問題解決法や交渉法を使う、妥協や譲歩をする、時間や場所を変えるなど
怒りをコントロールする方法を実践することで、怒りを自分の味方にすることができます。
怒りが起こったときは、上記の方法を試してみましょう。
怒りを活かす方法は何か?
最後に、怒りを活かす方法について説明します怒りは、自分自身や他人や社会のためになる感情に変えることができます。
例えば、以下のような方法があります。
自分自身
怒りは自分自身を守るためのエネルギー源になることがあります。
例えば、「この仕事は私がやらなければならない」という思い込みから生じた怒りは、「私はこの仕事が好きだからやっている」という思い込みに変えることができます。
これによって、自分のモチベーションやパフォーマンスを高めることができます。
他人
怒りは他人を変えるためのエネルギー源になることがあります。
例えば、「あいつはダメだ」という思い込みから生じた怒りは、「あいつも私も同じ人間だから、話し合って解決しよう」という思い込みに変えることができます。
これによって、相手とのコミュニケーションや協力を促進することができます。
社会
怒りは社会や世界をより良くするための原動力になることがあります。
例えば、「不正や不平等に対して抗議する」「社会問題に関心を持つ」「社会運動に参加する」というような社会貢献的な活動をすることで、怒りのエネルギーを道徳的に使うことができます。
これによって、社会や世界にポジティブな変化をもたらすことができます。
怒りを活かす方法を実践することで、怒りは自分や他人や社会のためになる感情に変わることがあります。
怒りが起こったときは、上記の方法を試してみましょう。
まとめ
この記事では、怒りの心理学について解説しました。
怒りは、自分の理想や期待が裏切られたときに生まれる感情ですが、その裏には一次感情が隠れています。
怒りと上手に付き合うためには、自分の本当の気持ちやニーズを理解し、相手に伝えることが大切です。
また、怒りには爆発的な怒り、抑圧的な怒り、反動的な怒りの3つのタイプがあり、それぞれ異なる原因や対処法があります。
さらに、怒りをコントロールするためには、自己観察、自己肯定、自己表現、自己調整の4つのスキルが必要です。
そして、怒りを活かすためには、怒りのエネルギーを自分自身や他人や社会のためにポジティブに使うことができます。
怒りは、誰もが持っている普通の感情ですが、適切に管理しないと、自分や他人に悪影響を及ぼす可能性があります。
そこで、この記事を参考にして、自分の怒りと上手に付き合ってみましょう。